ボンクラ映画魂 完全版: 燃える男優列伝

杉作J太郎氏が1996年に上梓した『ボンクラ映画魂三角マークの男優（オトコ）たち』（洋泉社）を基に加筆・修正を加えたり、新規掲載のコミックなどを加えた東映のスクリーンを支えた男優名鑑。あいうえお順で往年のスター、名脇役、怪優が続々登場します。単なる名鑑ではなく、著者とのエピソードを豊富に盛り込み、その役者さんの人柄がわかる内容になっています。私は筆者より年下なので知らない人、作品も多いですが映像を見れば「ああ、この人か」という人も多いのでしょう。昭和プロレスに登場したガイジンレスラー名鑑みたいな楽しさ、懐かしさがあります。そういう本が好きならおススメです。前回の出版から20年経っているので、世の中の変化（４D、５D映画への言及はまったく同意見）があったり、お亡くなりになった人も多いです。なので加筆もそれなりに多いです。個人的には阿藤快（海）さん、室田日出男さんとのエピソード、夏夕介さんの項目の「バカ論」が素晴らしかった。奥付のところに大幅に加筆・修正を加え、と書いてありますが、誤字脱字はまだ多い。また、トリを担う渡哲也さんのところには日本旅行が（現JTB）と書いてある。でも、そんな些末なことはどうでもよい感じ。それも含めて楽しめます。また20年後に改訂版を出してほしいです。『リニアモーターカー大爆破』のような新作は公開されていないでしょうが。