なぜトイレの蓋をするだけで99%の会社・店は儲かるのか

著者は「開運コンサルタント」だそうである。かなり怪しげな肩書きだが、調べてみると株式投資の本を二冊出していて、本書中でも株がらみの話にかなり稿を割いている。本書出版の時点でトイレ掃除をはじめて一年半だというから、鍵山秀三郎氏のように人生を通じて実践してきた人ではなく、金運の向上を目的として始めたようにみえる。著者の主張はシンプルだ。なぜトイレの蓋を閉めることが大事なのか。それは"臭い"こそが運気を落とす最大の要因だからである。家から悪臭を放逐しなければならない。よって台所や風呂の排水溝にも蓋をすることを提案している。口臭や煙草、生ゴミなどにも要注意だ。つまりは「蓋をするだけ」では駄目なので、タイトルは誇大広告である。しかもトイレは使用するものであるから、閉めっぱなしというわけにはいかない。そこで開けた時の臭いを抑えるために掃除の必要があるというわけ。確かに私の経験でも、イヤな臭いがする家は例外なく問題を抱えている。清浄な空気を保つことが何よりの開運のコツということだ。本書では、著者の理論を実践した読者による経験談が複数掲載されており、他の様々な開運の方法も挙げられている。ユニークな開運本である。